「干物物語」
 
私は干物。そう遠くないむかし、庶民の食卓には必ず、乗っていた。
天日に干されたため硬くて、多少塩味はあるが、七輪の上で炙られ、ほどほどの柔らかさになると、香ばしく、旨みが乗って、中骨までばりばりと食べられて、白いご飯のお供に、みんなに愛されていた。

ところが、いつの間にか、見てくれが悪いとか、塩味が強すぎて健康に悪いとか、硬すぎるとか言われて、柔らかく、塩味も薄く、鮮魚でもあるまいに、冷凍食品にされてしまっていました。
私たちを作って頂いている干物加工のおじさんたちは、冷風乾燥にして、短時間で半生の「開き」にして、お店に出荷するようになったそうです。

そうなると、お役人のご指導で、消費者のためと称して、お店に並べるためには、冷凍扱いで、防腐剤を入れなさい!防黴剤を入れなさい!酸化防止剤を入れなさい!果ては、白っぽく見栄えがしないため、「照り」があるように着色料で化粧されるようになりました。

ある時、農園のおじさんが加工所を訪ねてきて、私たちの変わり果てた姿を見て、「これ干物とは言えないね」
あの美味しかった干物は何処に行ったんだとおっしゃいました。
私たちはとても悲しくなりました。

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①宇佐市長洲、上野水産(あみ海老の塩漬け、小海老の日干し)
 
 

むかしながらの加工場であり、鮮魚店です。
農園主が目指す本来の干物作りに一番近い先です。
皆様のご意見によって、当農園と一緒に商品開発に取り組むことで合意しております。
あみ・かちえび(乾燥・むき身)。
新年は舌平目・さより・いか・きすなどの干物作りを当農園のお客様向けに共同開発することで内諾済。
皆様のご意見が活かされます。

「地あみ海老」
この「地あみ」は西日本沿岸部に生息しており、アラスカ産などの寄せ餌用のアミとは異なる。
むかしから熱々御飯の上に置いて食べられてきた。
現在は収穫量が減り、また、食生活の変化(減塩志向)により、食卓に上らなくなってきている。
鮮度が命であり、獲れたらすぐに塩漬けにし、保存されている。
今回は、当農園のために、特別に通常の2/3の海の塩を加えております(減塩)。

「あみの卵とじ」
・あみをフライパンなどで乾煎りし、ほどほどに水分を飛ばしながら、火を通す。
・好みでみりんを大匙一杯ほど加え、香りづけに醤油を少量垂らし、さらに水分を飛ばす。
・整ったら、溶き卵1ケを加え、適度の水分が残った状態まで炒れば、完成です。
御飯のお伴に、少しづつ食べてください。病みつきになるか、どうか・・・? お弁当には重宝です。

「野菜煮込みスープ」
煮込みスープの出汁として使います。量は、少しづつ加えてみて、ご家庭の好みにしてください。
・菜っ葉類、葱類、豆腐、キノコ、春雨などの煮込み料理に使います。
・水からあみを煮込み、材料を投入します。
・味付けは、そのままでも良いのですが、醤油・酒程度で良いでしょう。
※あっさりとしたいのであれば、これで完成ですが、豚肉との相性も良く、試してみてください。
※気になる方は、最初にあみを濾して捨ててもよいのですが、栄養価を考えればそのままでどうぞ。
※キムチ漬けをされる方は、この「あみ」を加えると美味しいキムチ漬けができます。

②国東の竹永海商(潜水して収穫した塩蔵天然わかめ)
 

国東の海に潜って海藻を獲ってきます。
他方ではわかめの人口養殖もしております。
加工場を持っており、乾燥・塩漬け・カット処理をします。
塩蔵わかめ・乾燥わかめ・茎わかめ・ひじき・カットわかめ・ちりめんなどがあります。
(国東;防波堤が無く延々と砂浜が続くリアス式海岸です。そのため、豊かな海があります)

③米水津の高橋水産(かますの開き-薄塩仕立て-、真鰯の丸干し) 
 

県下でも有数の干物加工会社であり、「鮮魚に近い干物」をコンセプトにしております。
農園主の目指す干物ではありませんが、冷風乾燥と保管技術が優れており、何よりも前向きな姿勢があり、今後、皆様のご意見によって本来の干物に近づける商品開発の可能性が残っております。
薄塩仕立てですので、物足らない方は、少し手塩をし、冷蔵庫で一晩置くと良い。
 
(山の幸)
 
 

むかし、山と人の暮らす里の間には、手入れされた里山があった。
そこは、猪や鹿と人間界の境界線であった。
そこには、豊かな自然があり、栗や柿の木、筍や山菜があった。
お爺ちゃんが柿をもぎ、山菜を採り、筍を掘り、お祖母ちゃんが柿を剥き、山菜を干し、保存食として、自然の恵みを取り込んでいた生活があった。

佐藤自然農園は、都会で暮らす方々のために、そんな自然の恵みが欲しかった。
人づてにようやく干し柿・筍・山菜を採って暮らしておられる里人とお話ができた。
そんな季節の恵を皆様にお届けできそうだ。